one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「えっ……あ、はい! おはようございます」
どうやら理玖くんは、私がまだ寝てると思っていたみたい。
自慢じゃないけど、私は今まで寝坊で学校に遅刻したことはなかったりする。
他の子たちに比べれば、規則正しい生活っていうのを送っているのかもしれない。
でも……
昨日はなかなか寝付けなかったせいでちょっと眠いかも……。
「なんだ……まだ寝てるかと思った。起こしてやろっかなーって」
そう言った理玖くんは、一昨日見せたようなイジワルな笑みを浮かべる。
困って俯くと、突然ほっぺたに手を添えられた。
触れられたことで、一昨日の記憶がバッと頭に蘇る。
「あー、ごめんごめん。真面目だから寝坊とかしないって?」
「えっ、あの……」