one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
ちっ、違います!
緊張してるのは理玖くんとのこの近さのせいです!
「え、あ、はい……」
「もっと肩の力抜いたら?」
理玖くんはそう言うと、私の両肩を軽く叩いて階段へと向かう。
「ほら、行くぞ?」
一度だけ振り返ってこっちを見ると、階段をゆっくりとおりていった。
まずい……。
朝から一日のパワーを使い切ったって感じだ……。
一昨日のことなんか、もう忘れちゃってるみたいな理玖くん。
緊張してるのはやっぱり私だけで、理玖くんの方は何ともなさそう。
顔を合わすのも私は困ってたのに、理玖くんは話すことも近付くことも躊躇してなかった。
今日から学校だっていうのに……
本当に、大丈夫なのかな……?
そんな不安を抱きながら、とぼとぼとリビングへと向かった。