one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「初日で緊張するかもしれないけど、頑張って!」

「はい、ありがとうございます」


おばさんのおいしい朝ご飯をいただいて、玄関へ見送られる。


「りーくぅー? 何してんの?」


靴を履いていると、おばさんが二階に向かって声を上げた。


「あの……瑠依ちゃんは?」


朝リビングに行くと、瑠依ちゃんの姿が見当たらなかった。

中等部も校舎が隣みたいだから、一緒に登校すると思ってたのに……。


「あ、瑠依はね、もっと早くに出掛けていったのよ」

「え、そうなんですか?」

「部活の朝練だって言ってね」


ってことは……

理玖くんと二人で登校ってこと?


そんなことにハッとしていると、二階から理玖くんがおりてきた。


「暑いけどバテないようにね」


おばさんの爽やかな笑顔に見送られ、私は理玖くんと二人玄関を後にした。

< 66 / 405 >

この作品をシェア

pagetop