one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「初日で緊張するかもしれないけど、頑張って!」
「はい、ありがとうございます」
おばさんのおいしい朝ご飯をいただいて、玄関へ見送られる。
「りーくぅー? 何してんの?」
靴を履いていると、おばさんが二階に向かって声を上げた。
「あの……瑠依ちゃんは?」
朝リビングに行くと、瑠依ちゃんの姿が見当たらなかった。
中等部も校舎が隣みたいだから、一緒に登校すると思ってたのに……。
「あ、瑠依はね、もっと早くに出掛けていったのよ」
「え、そうなんですか?」
「部活の朝練だって言ってね」
ってことは……
理玖くんと二人で登校ってこと?
そんなことにハッとしていると、二階から理玖くんがおりてきた。
「暑いけどバテないようにね」
おばさんの爽やかな笑顔に見送られ、私は理玖くんと二人玄関を後にした。