one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
まだ八時前なのに照らしつける太陽はギラギラ。
気温をぐんぐんと上げていた。
家を出ると、理玖くんは私の一歩先を黙って歩いていく。
歩く一歩が大きい。
足が長いから当たり前のことだけど、私が二歩歩くところが理玖くんの一歩といった感じ。
頑張らないと置いていかれちゃいそう。
それにしても……暑くないのかな?
私なんか、半袖でも暑いのに……。
まだまだ夏の陽気。
それなのに、理玖くんは長袖のワイシャツを腕捲りで着ている。
でも歩く横顔を盗み見ると、理玖くんの表情は何とも涼しげ。
暑さなんか感じてないみたいに爽やかだ。
むっとする風が吹いてきて、理玖くんのツヤツヤした髪をふわっと弾ませた。