one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
クイッと髪を引っ張られ、条件反射でへんてこな声を出していた。
もう片方の三つ編みもサッと掴まれ、道のど真ん中で足を止める。
私の前に理玖くんが立ちふさがった。
「せっかく忠告してやったのに……やっぱりこの頭なんだ?」
「え……だって、その……」
からかうような笑みを浮かべ、掴んだ三つ編みをクイクイと引っ張る理玖くん。
――ドキンッ……ドキンッ……。
頬が次第に熱を持っていくのを感じ取る。
「……だって? だって何だよ?」
高圧的な言葉と視線で、理玖くんは私を追い詰めていく。
思ったまま、「この髪型が一番落ち着く」って言い返せばいいのに、何一つ言葉になってくれない。
もしかしたら……
またほどかれちゃうかもしれない……。