one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


いやいやいやいや、それって新感覚の親父ギャグ?

そんなツッコミが頭をよぎる。

理解に苦しむ一言に、思わずプッと笑っていた。


「何だそれ……普通に意味わかんないんだけど?」


話しづらそうにしてたかと思えば、マジ顔でそんなネタ。

唐突すぎる。


「詳しくはまだわからないけど……夏休み明けから、東京の学校に転校になるみたいなの……」

「そうなんだよ……それで、色々事情があってうちでって話なんだ」


両親二人が口々に話を膨らませていく。


だから……

その事情ってのが重要なんだろが……。


「……てか、順序追って話してくんない?」


冷静を保ち、先走る話をやめさせる。

俺の一声で変な沈黙が流れ、家族全員が揃うリビングがしんと静まり返った。


「だからな……最初から全部話すと……」


このあと、淡々と親父の話は続いた。

でも結局、最後まで聞いても理解に苦しむ話だった。


有り得ない……。

俺の感想はただそれだけだった。

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