one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「えっ……」
「なんなら、あたしやったげよっか?」
「あ、あの……私……」
「……ん?」
「スマホ……持ってないんだ」
「えっ⁈」
宮城からこっちに出てくる時、お父さんとお母さんが「買おうか?」と言ってくれた。
東京に行くなら自分の電話があった方がいいし、お父さんたちも連絡しやすい……とか何とか言って。
でも、私は必要性を感じられなくていらないと言ってしまった。
実家には自分からまめに連絡をするし、それ以外には連絡する先も特にない。
だから、スマホを持つ必要がないって思ったのだった。
でも……
やっぱり買ってもらえばよかったみたい……。
宮城の学校にいた時もスマホを持ってる子はたくさんいた。
東京となれば、持ってない子を捜す方が難しいのかもしれない……。
「嘘でしょ⁈ 持ってないとか……」
「え、あ……ホントなんだ」
「じゃあ桃香とLINEとかできないってこと⁈」