大江戸シンデレラ
——まるで、わっちらのようでなんし。
その場合、「求女」は兵馬になるのだが……
求女を追ったお三輪は、次の場面である「三笠山御殿」に辿り着くが、官女(御殿女中)たちにいいようにこき使われた上にいじめ抜かれる。
しかも、お三輪の恋した求女は、一介の烏帽子折(烏帽子職人)などではなく、実は身を変装した藤原淡海で、藤原鎌足の子息という貴族の御曹司であった。
そして、淡海が相思の仲の姫君(こちらも実は蘇我入鹿の妹・橋姫)と祝言を挙げることを知ったお三輪は、嫉妬のあまり「疑着の相」をしてしまったことから、藤原氏と蘇我氏の政治的な争いに巻き込まれて利用され、とうとう殺されてしまう憂き目に遭うのだ。
——結局のところ……若さまは、玉ノ緒とは如何なる間柄でなんしたかえ。