大江戸シンデレラ

その日も尚之介に抱かれ、胡蝶は自ら望んでこの身を任せられる喜びに浸る。

十五で見世に出されて以来、月の障りのほかは毎夜だれかと同衾してきた胡蝶にとって、初めての想いであった。


「……尚さま……お慕いしておりなんし……

わっちを……決して離さでおくんなんし……」

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