大江戸シンデレラ
一気に、最奥まで押し挿れられた。
「ひいぃ…………っ」
あまりの痛さに、声にならない悲鳴が出た。
辛抱堪らず顔を顰めた美鶴は、知らぬ間に夫の腕を掴んでありったけの力を込めていた。
されども、さような妻のさまには気にも留めず、そのまま情け容赦なく叩きつけるかのごとく腰を打ちつけてくる。
「ひっ…ぐっ…ぅぐっ…うっ…ぐうっ…」
美鶴はまるで胎の中が引き裂かれるかのような痛みの中で、必死で歯を食いしばった。
「初花」を散らす際は痛いのがあたりまえ、と見世の姐さん女郎たちからさんざん聞かされていたと云うのに……
——されども、こないなまでに痛いものとは……
吉原の廓では、お客に対して粗相のないようにと、ねばっこい布海苔をこっそりと塗って滑りを良くしておいてから迎え入れる。
だが、武家の御家にさようなものがあるはずもない。
我が身を組み敷いている夫から、暑さのためであろうか、汗がぽとり、と落ちてきた。
美鶴もまた額に玉粒の汗を吹き出させていたが、質がまったく異なった。
美鶴の汗は——苦痛ゆえの脂汗だ。