大江戸シンデレラ

兵馬が美鶴の(かんばせ)から目を背けつつ、告げた。

「そちの顔など、金輪際見とうない。
……即刻、この場から立ち去れ」


(ねや)の間に、兵馬の凍えきった低い声だけが響いた。

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