大江戸シンデレラ

噛み締めるようにつぶやいた兵馬の声が、美鶴の耳に届いた。

——やはり、あの夜……若さまは、わっちを待っていなんしたかえ……

思わず漏れ出たと思われる兵馬のその声を聞き、美鶴はとうとう観念した。


「……申し訳……ありませぬ……若さま……」

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