停留所で一休み
第1話 別れ
別れと言うのは、ある日突然やってくるものらしい。

あれだけ上手くいっていると思っていた、私達も例外ではなかった。


「別れてほしい。」

「えっ…」

「ごめん。勝手だとは思ってる。」


東京のオフィス街で働いている私、小形出海(オガタ イズミ)は、3年付き合っている三枝佳樹(サエグサ ヨシキ)に駅の中にあるカフェで、たった今、別れを告げられた。

「理由は?」

聞いても、佳樹は黙ったままだ。

「別れようと思った、理由があるはずでしょう?」


付き合いだした時、私は27歳、佳樹(ヨシキ)は29歳。

お互い、結婚も意識していた”はず”だった。


「黙ってないで、何か言ってよ……」
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