停留所で一休み
「会社で7歳年下の真弓と出会って、出海が産まれた上に、一香も、克己も産まれて……一人でいた時には、全く想像もしていなかった。だからな。三人が成長していくのが、何よりも楽しみだったんだ。」

父は、典型的な子煩悩だと思った。

「だったら、一香のところの一弥も和香も、可愛くて仕方ないんじゃないの?」

私は少し嫌味っぽく言ってみた。

「ああ!その通りだ。もう写真も入れてあるぞ。」

そう言って父は、娘一人と孫二人の写真を、私に見せた。


あるある。

可愛さを、かなり振りまいている一弥と和香の写真が。


「よかったね~、こんだけ可愛い孫も産まれて。」

「そうだな。」

父の顔は、緩みっぱなしだ。
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