停留所で一休み
「一体、何でここまで来たの?」

「バスで来た。」

「バス?」

よくこんな物、担いでバスに乗れたよ。

私は呆れた。


「行こう。そろそろバスも来る頃だろ。」

「えっ!帰りもバス?」

「そうだ。家まで一本だし、金も安く済むからな。」

「は~い。」

私は気が重くなっていくのを感じながら、父の後をついて行った。


港を出て、3分ほど歩いたところに、バスの停留所はある。

丁度バスが停まっているのが、見えた。

「お父さん、早く!バス来てる!」

「おう!」

だが人間よりも、バスの方が早いわけで、バスはさっさと私達を残して行ってしまった。


「待って!乗ります!」

私は必死に叫んだが、走りながら叫んだところで、バスの運転手に聞こえるはずもない。
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