停留所で一休み
あと一歩というところで、バスのドアは閉まり、私と父を停留所に置いて出発してしまった。

「ああ!!もう!!」

私はゼーゼーと言いながら、地団駄を踏んだ。

しばらく遅れて、父が息を切らしながらバス停に着く。

「そんなに急いで走らなくてもいいだろう。あれに乗り損ねても、次のバスがあるんだから。」

そう言うと、父は停留所のベンチに腰を降ろした。

「次の…バス?」

私の思考回路をストップした。


まさか……

いや、いくら何でも……

嫌な予感が止まらない。


「そこに時刻表がある。」

父はポールを指差した。

私は恐る恐る近付いて時刻表を見た。

予感は的中。

次のバスが来るのは、



約一時間後だった……
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