停留所で一休み
私はがっくり肩を落とした。

次のバスが一時間後?

絶対にあり得ない。


Time is money。

それを全く無視している。


「お父さん。」

「何だ?」

「…タクシーで帰らない?」

ダメ元で、父に言ってみた。

こんな場所で無駄な時間を過ごすよりは、少しお金を払ってでも、タクシーを使った方がマシだ。


「そんなに急いで帰る必要がどこにある?」

「はあ?」

私は首を傾げた。

「今すぐ帰って、やらなければならない事でもあるのか?出海は。」

「いや…ないけど…」

「だったら、ここに座ってなさい。」

父は自分の隣の席を、バンバンと叩いた。
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