停留所で一休み
大学時代。

同じ大学に通っていた私と弥生は、何か理由をつけては、一緒に飲みに行っていた。

『あと二人くらい、適当に連れて行くからさ。』

「うん。そうだね。」


たまには、外で羽目を外すのもいい。

もしかしたら、新しい出会いもあるかもしれない。


『場所は扇屋にしようよ。』

扇屋というのは、地元のみんなで飲む時に使う、行き付けの居酒屋だ。

「うん。分かった。」

なんだかワクワクしてきた。

弥生と飲むなんて何年ぶりだろ。


そうだ。

あと何人か連れて行くって誰が来るのかな。

「ねえ、弥生。あと誰が……」

『じゃ!またあとで。』

弥生は質問も聞かずに、電話を切ってしまった。
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