停留所で一休み
「相変わらずだね~」

私は変わらない弥生のその癖が、なんだか嬉しかった。


次の日の夜になって、私は町の中心街までバスに乗った。

バスに揺れること、20分。

ひと際大きい商店街の中に、扇屋はあった。


「出海!」

弥生は既に、店の前で待っていた。

「待った?」

「ううん。私達も今、来たとこ。」

「えっ?」

私は、弥生の側に立っている人に気がついた。

「久しぶりだな。出海ちゃん。」

「ええ~、大和君?」

それは中学・高校と、同級生の東原大和(ヒガシハラ ヤマト)君だった。

「全然分かんなかった。」

当時からカッコよかったが、今の方が更にカッコいい。

中学の時は遠い存在だったが、高校に入ってからは、私と弥生と大和君で、よくつるんでいた。
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