停留所で一休み
「ショックだったか?」

本村君は、背中を向けながら聞いてきた。

「ショックじゃない方が、変だって。」

「そうだな。」

私達はしばらく、だんまり。


港沿いを、静かにタクシーが走る。

「……結婚って、何なんだろうね。」

本村君からの返事はない。

「一生、一緒にいるって誓ったんじゃないの?」

弥生の結婚式でも、弥生は今の旦那さんと、そう誓っていた。

「ただの、恋愛の延長戦?そうじゃないよね。」

「……その気持ち理解できる。」


本村君がそう言ったきり、お互い、窓の外を眺め続けていた。
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