停留所で一休み
「そして出海は、なんで落ち込んでたの?」

弥生は、いつも容赦なく話を蒸し返す。

「私?…私?」

「二回聞く意味あるの?」

だってこのまま、受け流してほしいんだもん。

私は、弥生とは反対側を向いた。


「分かった!敬太の事だ。」

勘がいいね、弥生。

本当、嫌になるくらい。

「出海と敬太って、ホント真反対の人間だもんね。」

「真反対?」

私は、もう一度弥生の方を向いた。

「そう。出海は器用なタイプだけど、敬太はどっちかっていうと、努力家タイプだから。」

なるほどと思ってしまう私は、少しはあいつに興味を持ち始めているんだろうか。

「そんな努力家さんだから、今や会社の中で、13ヵ月連続売上トップ!」
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