停留所で一休み
えっ!あの本村君が?

私は一瞬驚いたけれど、直ぐに納得した。

あの地道に、家々を訪ね歩く姿。

並大抵の努力じゃ、できない。


「世の中を生き抜くには、器用さと努力、どっちも必要なんだけどね。持ってるものが普通の人よりも多いから、どうしても衝突しちゃうんだって。」

衝突?

私と本村君って、周りから見ると、そうなるのかな。


「でもね、敬太。誰よりも出海の事、認めているんだよ。」

「本村君が?私を?」

驚きながら、自分を指さす。

「私が出海の事話すと、すっごい嬉しそうに聞いてるよ。あいつも頑張ってるなら、俺も頑張んなきゃなって。」


本村君。

こんな東京から遠いところに、私を応援してくれる人がいたんだね。
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