停留所で一休み
「あのね。」

一香は、私にヒソヒソと耳元で囁いた。

「和希ちゃんに、子供ができたんだって。」

「えっ!!!」

私はみんなが驚くくらいの声を出した。


「お姉ちゃん、驚きすぎだよ。」

一香が、私の肩を叩く。

「それで、お腹が大きくなる前に式を挙げるのよ。」

「式?」

「結婚式よ、お姉ちゃん!」

結婚式!!!

「また先越されたな、出海。」

おじさんが私に言う。

「出海も早くしないと、子供産めなくなるよ。」

おばさんまでそんな発言をした。


克己が結婚する……

私は、その賑やかな雰囲気とは似合わないくらいに、一人でじっと、下を向いていた。

そんなところへ、克己が和希ちゃんを連れて登場した。
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