停留所で一休み
「…ひがみか。」

「はっ?」

私の顔が歪む。

「自分が結婚できないからって、和希をひがんでんのか!」

「私が?冗談じゃないわよ!」

「そう思ってなくても、そう聞こえるね!」

「何ですって!!」

「そうやって人をひがむから、男が寄りつかないんだよ!」

私は側にあった一香のコップを持つと、思いっきり克己に浴びせかけた。

周りからは ひゃっ…という声があがる。


「何するんだ!!」

「あんたを黙らせてやったのよ!!」

私と克己が近付いた時だった。

「よさないか!!二人とも!!」

父の大きな声が響く。

「この目出度い席で!一体、何を考えているんだ!」

私と克己は黙り込んだ。
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