停留所で一休み
「だって乾燥わかめがなかったんだもん!」

「そんなの知るか!!」

「文句言うなら食べなきゃいいじゃん!!」

私は、克己からみそ汁を奪った。


「あっ!俺のみそ汁返せよ!」

「みそ汁くらいで騒がない!」

「これは俺の一日の活力なの!」

克己は私の手からおみそ汁を取ると、一気に口の中に入れた。

「あっ!!私の!!」

「ごちそうさま!!」

克己は手を合わせると、自分の茶碗とお椀を重ねて、私の目の前に置き、走って逃げた。

「ちょっと、克己!自分が食べた分くらい自分で……」

「姉ちゃんやって!」

「私が?何でよ!!」

私は立ち上がると、克己を追いかけた。

「ああ~!!うるさい!朝飯くらい落ち着いて食べれんのか!!」

後ろで、父の怒鳴り声が聞こえた。

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