停留所で一休み
朝ごはんも無事に済んだ頃。

「さあ~て。庭の花に水でもやるか!」

着替えて家を出る克己が、私を疑いの目で見てくる。

「何よ。」

「いや、いつまで続くのかなと思って。」

呆れた顔で靴を履く克己に、私はサラッと言った。

「心配しなくても、そんな長いことできないし。」

克己は、くるっとこちらを振り向いた。

「何で?」

私はそっぽを向きながら答えた。

「何でって、そろそろ有給も無くなるし…」

「…東京に戻るのか?」

「そのつもり。」

克己は突然の事に、言葉を失っている。

「別に今日帰るわけじゃないよ。」

「ああ…うん。」

「とりあえず、あんたは仕事。いってらっしゃい。」
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