停留所で一休み
「今日も仕事、お疲れ様。」

「姉ちゃんもお疲れ様。」

私は克己と、缶ビールで乾杯した。

「やけに優しいわね。」

「ん?姉ちゃんも慣れないことすると、いつもより疲れると思ってさ。」

「この~!!」

ケンカしても、言い合いをしても、こうやって一緒にお酒を飲める。

姉弟とはそういうものだ。


「姉ちゃん、いつ東京に帰るの?」

「うん…今週末かな。」

「ふう~ん…」


分かる。

克己が寂しがっている事が。


「戻るのか……」

克己は、そうぽつりつぶやいている。

「また帰ってくるよ。」

「うん。分かってるよ。だけどさ…」

克己は無理に、笑顔を作っていた。

「ここしばらく、家に姉ちゃんがいるのが当たり前だったから、いなくなると思うとな……」
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