停留所で一休み
「うん…」
「イチ姉が結婚して、家に残った姉弟は俺一人だけだったから、嬉しかったんだ。」
「そっか…」
「何だかんだ言って、楽しかったからなぁ。久々に姉弟三人で過ごすのがさ…」
私も楽しかった。
姉弟も大人になると、年が離れた親友に思えてくる。
「俺さ。ずっと姉ちゃんがうらやましかった。」
克己は両足を手で抱えた。
「俺も東京に行きたかった。でも行けなかった。親父に『おまえは長男だから、家に残ってくれ。』って言われて。」
男の人は大変だ。
特に長男は。
「親父はもしかしたら、分かってたのかもしれない。俺が東京に行っても、何もできずに帰ってくるのがさ……」
「そんなことないよ。」
「イチ姉が結婚して、家に残った姉弟は俺一人だけだったから、嬉しかったんだ。」
「そっか…」
「何だかんだ言って、楽しかったからなぁ。久々に姉弟三人で過ごすのがさ…」
私も楽しかった。
姉弟も大人になると、年が離れた親友に思えてくる。
「俺さ。ずっと姉ちゃんがうらやましかった。」
克己は両足を手で抱えた。
「俺も東京に行きたかった。でも行けなかった。親父に『おまえは長男だから、家に残ってくれ。』って言われて。」
男の人は大変だ。
特に長男は。
「親父はもしかしたら、分かってたのかもしれない。俺が東京に行っても、何もできずに帰ってくるのがさ……」
「そんなことないよ。」