停留所で一休み
部長は、うんともすんとも言わない。

「もう一度、一からやり直したいんです。」

少し震えた声で言う私。

虫のいい話だと分かっていても、どうしても言わずにはいられなかった。


『今、東京か?』

「いえ…まだ実家です。」

『いつ、こっちへ戻る?』

「明日……帰ろうと思っています。」

『帰ったら、連絡して。それじゃ。』

「はい。」

私が返事をすると、電話は切れた。


「部長って人の話聞いてるんだか、聞いてないんだかよく分かんない人……」

それでも人が話す前に、電話を切る弥生よりはマシか。

そう思いながら、私は電話を切った。
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