停留所で一休み
「今年の夏休みは、ちゃんと帰って来いよ。」

克己が、寂しさを押し隠しているのが分かる。

「その前に、あんたの結婚式で帰ってくると思うけど。」

「あ、そうか。」

途端に機嫌がよくなる克己。

「その時はお土産、よろしく!」

克己はそれだけを言うと勢いよく、玄関を開けて出て行った。


「はあ?お土産?」

結婚式に来るのに、土産?

その時、私はある事を思い出した。

「あっ!部長にお土産買わなきゃ!」

途中にある、新幹線の駅で買うか。

そんな事を考えていると、克己と入れ替えに、一香が車でやって来た。


「やっほー、お姉ちゃん。遊びに来たよ~」

「一香……」

「どうせ暇でしょ?隣町のデバートにでも行ってみない?」

「行ってみないって言われてもね。」
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