停留所で一休み
第20話 次の目的地へ
明くる日。

私は内心ドキドキしながら、会社へ出勤した。


「おはよう。」

自分の部署へのドアを開けると、仲間達は一気に私を見た。

「おはようございます、小形係長。」

「あ、係長。おはようございます。」

「係長、休暇長かったですね。」

みんな普段通りに迎えてくれる。

それはやっぱり、高田部長のおかげ。

私が戻ってくると信じて、みんなには休暇中と言っておいてくれたのだ。


「部長は?」

私は、にこにこしてこっちを見ている、松下君に聞いた。

「部長は部屋に、いらっしゃいます。」

一番奥にある部長室。

私は昨日の夜、渡し損ねたお土産を持って、部長がいる部屋へと向かった。
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