停留所で一休み
「真帆と言います。よろしくお願いします。」


真帆ちゃん?

って、えっ?

真帆ちゃんが結婚するの?

だって彼女、まだ24だよ?


一人だけ取り残された気分の私を置きざりにして、おめでたい会話はどんどん弾む。

「真帆ちゃん。お腹の子、何か月なの?」

「もうすぐで2ヵ月です。」


しかも妊娠まで!?

血の気が引いている私に追い打ちをかけたのは、次に聞こえてくる声だった。


「まさか俺も、付き合ってすぐできるとは思っていなかったよ。」

私は飲みかけのコーヒーを、テーブルの上に溢してしまった。


この声は、

この声は、忘れもしない。
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