停留所で一休み
目の前にいる真帆ちゃんの目には、涙が溜まっていた。

「私の……何が分かるんですか?」

「ご、ごめん。ちょっと、言い過ぎたかも……」

「キャリアウーマンのあなたに、私の気持ちなんて分かるわけないでしょう!!」

「ちょっと待ってよ。キャリアウーマン?私が?」

「自分がどれだけ恵まれた環境にいるか、分からないんですね。」


売り言葉に買い言葉。

あれだけ可愛いと思っていた真帆ちゃんも、今だけは憎たらしい。


「私、来月でこの会社終わりなんです。」

真帆ちゃんは、手を強く握った。

「…なぜ?結婚式だってまだなのに…」

「お腹に、子供がいるからですよ。」

「だって、二ヶ月だよ?」
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