停留所で一休み
第5話 久しぶりの我が家
次の日。

部長の言葉通り、有給を取った。

向かう先は、温泉でも観光地でもない。

自分の実家だ。


朝、いつも利用する駅から、トランク片手に実家へ向かうバスへ向かった。

会社の休みで帰る時は、2泊3日の予定で戻ってくる。

その時は、時間を少しでも有効に使う為に、新幹線で帰ることにしていた。

だが今回は違う。

いつまでいるかも分からない帰省。

少なくても、数週間は時間がある。

飽きるまで実家に、居着く事ができるのだ。


大きなトランクをバスに預けると、小さなバックを斜めにかけて、私はバスに乗り込み、一番後ろの席に座った。

さすがは、シーズンオフの期間。

バスに乗っているのは、私ともう一人、出張らしいサラリーマンの二人だけ。
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