停留所で一休み
第7話 弟の彼女
次の日の夜。

私は母と一緒に、夕食を作った。

「あら、案外上手いじゃない。」

母は、私が野菜を切っているのを見ている。


「お母さん……私、いくつだと思ってるの?」

野菜を切っただけで、料理が上手いと言われたら、八割の人は、みんな料理上手になってしまう。

「これでも心配しているのよ。いざ、結婚した時に何も作れませんじゃあ、親が恥ずかしい思いをするんだから。」

「安心して。簡単なものだったら、いつも作っているから。」


毎日外食や買って食べれるほど、裕福な暮らしはしていない。

どんなに疲れて帰ってきたって、冷蔵庫にあるもので、夕食を済ませなければならない時だってあるのだ。


「ところでさ、やけに量多くない?」

「ああ、それね。今日、和希(ワキ)ちゃんが遊びに来るのよ。」

「和希(ワキ)ちゃん?誰それ。」

「克己の彼女。」

「あいつ、彼女いるの?」

あの鼻タレ坊主の克己に?
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