停留所で一休み
しばらくして佳樹は、とうとう立ち上がってしまった。
「お金、出海の分もここに置いていくから。」
置かれたお金が、手切れ金にしか見えなくて、惨めだった。
「じゃあな、出海。」
いつもと同じ挨拶なのに、悲しくて悲しくて、仕方がない。
佳樹の手が、テーブルから離れる瞬間、私は咄嗟に彼の指を掴んだ。
「出海?」
「……私と一緒にいて、楽しかった?」
こんな事でしか、時間を稼ぐ事ができない。
あと数秒で、私は佳樹の彼女では、なくなってしまう。
「ああ、楽しかったよ。」
にこっと笑ってくれた、佳樹の手が離れる。
一人、カフェに残された私は、二人の時間が終わってしまった事を、痛感させられた。
「お金、出海の分もここに置いていくから。」
置かれたお金が、手切れ金にしか見えなくて、惨めだった。
「じゃあな、出海。」
いつもと同じ挨拶なのに、悲しくて悲しくて、仕方がない。
佳樹の手が、テーブルから離れる瞬間、私は咄嗟に彼の指を掴んだ。
「出海?」
「……私と一緒にいて、楽しかった?」
こんな事でしか、時間を稼ぐ事ができない。
あと数秒で、私は佳樹の彼女では、なくなってしまう。
「ああ、楽しかったよ。」
にこっと笑ってくれた、佳樹の手が離れる。
一人、カフェに残された私は、二人の時間が終わってしまった事を、痛感させられた。