停留所で一休み
第9話 同級生?
ある日の昼下がり。

例の如く、私は居間でゴロゴロと寝転がっていた時だ。


「ごめん下さい。」

若い男の人の声が、玄関から聞こえてきた。

セールスマンの人かな?

私はなんとなく立ち上がると、そのまま声のする方へ向かった。


「はい。」

玄関の前に立っていたのは、メガネを掛けたスーツ姿の男の人だった。

誠実そうで 年は私と同じくらい?

それなのにこの人は、私に向かって、いきなりため口を決め込んだ。

「久しぶり。お母さん、いる?」

初めて会ったにしては慣れ慣れしい。

しかも母とは顔見知り?


「何の御用でしょうか?」

冷たい態度の私に、その人は目をパチクリさせている。
< 71 / 224 >

この作品をシェア

pagetop