停留所で一休み
「小形!俺だよ、俺!!」

私はそっと男を見た。

「小中高と同じ学校だった、本村敬太(モトムラ ケイタ)だよ!」

私は何度も、瞬きをした。

「も、本村…君???」

「そうだよ。やっと思い出したか?」

私は玄関の戸から手を離すと、じーっとその人を見つめた。


「あらあら、大きな声が聞こえてきたけど、何があったの?」

ようやく台所から、やってきた母。

「ああ、本村さん。あがってあがって。」

「失礼します。」

母は、何の警戒心もなくその人を、家の中に入れた。

慣れた雰囲気で、居間に座る本村君……と名乗る人。

「何か疲れているけれど、大丈夫?本村さん。」

母が心配しながら、お茶を出す。
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