停留所で一休み
しばらくしてバイクの音がしたかと思うと、それは家の前で止まった。

「お母さん、小包!」

バイクに乗って来たのは、弟の克己だった。

「は~い。」

母は玄関へと走って行った。


私はその隙に、本村君をチラッと見る。

なぜか相手も私を見ていたらしく、同じタイミングで目が合う。

「私の事、知ってるんだったら、最初から言えばいいじゃん。」

「言わなくても知ってると思ってたけど。中学2年の時、一緒に学級委員もやったし。」


えっ!!

全く記憶にないんですけど!!


「まさか、覚えてないなんてショックだよな。」

「ごめんね~」

この際、潔く謝っちゃえ。

すると本村君は、鼻で軽く笑う。
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