わたしの右側、あなたの左側
あなたには夢があって
「絵美が一緒に頑張ろうって」
わたしだって、同じ夢を追いかけて
ううん、あなたを追いかけて
ここまでがんばっていたんだよ……
「そうなんだ、じゃ、わたしとのパートナーは解消だね」
「ああ」
「よかったね。競技会、間に合って」
「お前も続ければいいのに。もったいない」
「言ったでしょ、実家、手伝う約束なの」
「国内の大会には出るんだろ?」
「相手が見つかれば、ね」
「……そっか」
「頑張ってね、絵美さんと。
うちらの代で唯一のプロ、なんだから」
「ああ」
彼女を見つめて、微笑む
なんて瞳、してんのよ
そんな優しい笑顔、見たくなかったよ
その席は
あなたの左側は
もうその子のものなんだね……