クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】
「なんて言うか……」
「どう言えばいいか……」
「非常に言いにくいんだけど……」
カホ、ナナ、ヒカルが、物言いたげに半眼を向けてくる。
言いたいことはわかっているさ。
「勢いで付き合った感が否めない、でしょ?」
そう。
だから、私達が上手くいかないのは当然なんだ。
全く違う考えを持った二人が勢いで付き合ったんだよ?
一年半続いただけでもすごいと思わない?
お互いちゃんと好きだったのかどうかも、怪しいくらいだよ。
「ナナとヒカルが羨ましいよ。似たものカップルでさ。価値観も似てるでしょ?」
「まぁ……」
「私と比呂はさ、全く価値観が違うんだよね。そんなの、絶対上手くいくはずないよね」
自嘲気味に笑ってみせると、ナナが唇を尖らせながら首を傾げる。
「そうかなぁ〜?」
「え?」
「私は、全く価値観が違くても、お互い好き同士ならそれはそれで面白いと思うけどな」
「……どういうこと?」
「だって、自分一人だったら絶対に見られない世界が、二人一緒なら見られそうじゃない?」
「……」
ナナの言葉の意味がいまいち理解できなくて、私もヒカルも同じ角度で首をかしげてしまう。
だけど、カホだけはナナの言う意味が理解出来たようで「一理ある」と納得してる。
ん〜。全然わかんないや。