クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】
「ま。とにかく、別れたもんは仕方ないし。今年はぼっちのクリスマスを楽しむんだね」
「え……?ま、待ってよカホ……。ナナとヒカルはともかく、カホは一緒にクリスマス、過ごしてくれるんだよね?」
「は?何言ってんの?私、その日彼氏と旅行いくし」
「待って!?彼氏とか初耳ですけど!?!?」
「あれ?言ってなかった?システムエンジニアの」
聞いてませんけどーーー!?!?
う、うそ……。
ってことは、私クリスマスぼっち!?!?
衝撃の事実に打ちひしがれていると……。
「比呂!お前、今年のクリパは来れるんだろ?女子もいっぱい来るぞ〜」
「おー行く行く。今年はやたらクリスマスにこだわる、うるさい彼女もいないしな」
クリスマスパーティーに誘ってきたクラスメイトに大きな声でわざとらしくそう言うと、こっちをチラリと見てニンマリ笑う比呂。
すんません。
マジでアイツ……殴ってもいいっすか?
「イケメンなのに残念なヤツだよね……鈴木って」
「うん。わかりやすいっちゃわかりやすいんだけどなぁ」
「イケメンなのにもったいな〜い」
やれやれと首を振るカホ、ヒカル、ナナ。
その間も、私はひたすら比呂への怒りで頭がいっぱいだった。
*
「じゃあ、なずな、お留守番よろしくね」
「ふぁ〜い」
クリスマスイブ当日。