クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】

「ま。とにかく、別れたもんは仕方ないし。今年はぼっちのクリスマスを楽しむんだね」


「え……?ま、待ってよカホ……。ナナとヒカルはともかく、カホは一緒にクリスマス、過ごしてくれるんだよね?」


「は?何言ってんの?私、その日彼氏と旅行いくし」


「待って!?彼氏とか初耳ですけど!?!?」


「あれ?言ってなかった?システムエンジニアの」



聞いてませんけどーーー!?!?


う、うそ……。


ってことは、私クリスマスぼっち!?!?



衝撃の事実に打ちひしがれていると……。




「比呂!お前、今年のクリパは来れるんだろ?女子もいっぱい来るぞ〜」


「おー行く行く。今年はやたらクリスマスにこだわる、うるさい彼女もいないしな」



クリスマスパーティーに誘ってきたクラスメイトに大きな声でわざとらしくそう言うと、こっちをチラリと見てニンマリ笑う比呂。



すんません。


マジでアイツ……殴ってもいいっすか?



「イケメンなのに残念なヤツだよね……鈴木って」


「うん。わかりやすいっちゃわかりやすいんだけどなぁ」


「イケメンなのにもったいな〜い」



やれやれと首を振るカホ、ヒカル、ナナ。



その間も、私はひたすら比呂への怒りで頭がいっぱいだった。

















「じゃあ、なずな、お留守番よろしくね」


「ふぁ〜い」



クリスマスイブ当日。
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