クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】

両親は商店街のガラポンで当てたとかいう、温泉一泊旅行に出かけて行った。


3歳歳上の兄ちゃんは、サークル内恋愛真っ只中で、歳上彼女の家でお泊まりらしい。


ちょっと古いかもしれないけど言わせて?


リア充爆発しろ。リア充爆発しろ。リア充爆発しろ。




その日は、夜になるまでふて寝してやることにした。


だって、テレビをつけりゃクリスマスの話題で持ち切りだし。


クリスマスソングとか流れてくると、去年バカ比呂と過ごしたクリスマスのバカな会話を思い出す。



あれは、地元でも有名なクリスマススポットまで、大きな大きなクリスマスツリーを見に行った時だ。



定番のクリスマスソングが流れる中で、キラキラ輝くツリーを比呂と一緒に見上げてた。


比呂と付き合って半年。


あの文化祭のキス事件から、初めてのキスがあの日だった。



『人前でするとか、信じられない……』



キスの後のなんとも言えない雰囲気に耐えかねて、可愛くない言葉を口走った覚えがある。


本当は、今にも心臓が爆発しそうだったくせして。



『……ばーか。どうせみんな自分達のことしか見えてねーよ』



そう言う比呂の耳たぶがちょっと赤くなってたのも気づいてたんだからね。



あの時は……うん。


ちょっと幸せだったかも。


普段本当に残念なヤツだけど、可愛いなって思っちゃったりして。


クリスマスマジックってやつだ。
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