クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】
うわ!もう、夜の8時!?
どんだけ爆睡してたんだ私は……。
クリスマスに一日爆睡してる女子高生とか、今この瞬間私だけだったりしてね。
ははは。
なんて、自虐的になっていたら。
────ピロン。
テーブルの上のスマホから、メッセージを受信した音がした。
それを手に取り確認すると。
「……え」
まさかの比呂からのメッセージで。
【やっぱ人工よりホンモノだろ】
という内容の後に画像が添付されていて。
「あ……」
街頭の光の中に降り注ぐ……雪?
ん?
雪かこれ?
ぶれっぶれで全然わかんない。
なんなのこれ。虫?
送るならもっとマシな画像送れよ。
何かっこつけてんだよ。
「本当……残念なヤツ」
画面にポタッと水滴が落ちて、初めて自分が泣いているんだと気がついた。
笑ってるのに、なんで……?
次から次に、涙がポロポロと零れてくる。
バカだし。
ムカつくし。
エロだし。
自分勝手だし。
全然優しくないし。
嫌いなところを上げたら、きりがないけど。
あんなヤツ大っ嫌いだけど……。
「……好きだバカ」
うん。
好きだ。
嫌いだけど大好きだ。
なんでかわからないけど。
自分でも全然わからないけど。
アイツのいない心の中は平和すぎて。
物足りなくて。
ポッカリ穴があいたみたいに……寂しい。