クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】
「あ〜。そういえばあんた達、一年半付き合って、まだキス止まりなんだっけ?」
「う"っ……」
「そりゃ、不安にもなるか〜。自分じゃなくてエロ本に欲情されりゃ」
「ひー!!やめてーー!!なんか生々しい!!」
カホのこの歯に衣を着せぬ物言いは、時々無性にいたたまれなくなる。
だけど、カホの言う通り。
比呂が私にああいう態度なのも、ベッドの下に変なものを隠すのも、私に魅力がないのかなって……。
一年半も付き合ってれば、そりゃ不安になるでしょ?
「それもこれも、やっぱり私達気が合わないからなのかもなぁって。比呂は私を女として見てないんだよ。だから、本当は別れた方がいいかなって。そう思ってる最中の出来事だったんだよね」
大きな溜息と一緒に机の上に突っ伏する私。
よほど落ち込んでるように見えたのか、ナナとヒカルもイチャイチャをやめて私の頭をよしよしとなでにくる。
「てか、一条と比呂って、最初めっちゃ仲悪くなかったっけ?」
ヒカルが何かを思い出すように天井を見上げる。
「確か、入学式早々、窓側の席の取り合いでバトってたよな?」
「それな」
そういえば、あれもめっちゃムカついたっけな。
私が先に席を取ったのに、俺は喘息持ちだから窓側の席じゃなきゃダメなんだ!とか難癖つけてきて。
後から知ったけど、アイツは至って健康体だった。