クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】
とにかく離れよう!
と体を動かした時だ。
────ドンッ!
『『あ』』
私と比呂の前に大きな打ち上げ花火が上がって、私達は同時に声を上げた。
『ねぇ鈴木!!見た!?今の見た!?ハートの形してたよね!?超可愛かった!!』
さっきまでのドキドキはどこへやら。
あまりの興奮で、勢いよく比呂を振り返ってしまい、すぐに後悔することになる。
『……』
『……』
今までにないくらい近い距離。
目を見開き、顔を見合わせ、私達は固まってしまう。
それから、なぜか熱っぽい光を宿した比呂の瞳が近づいてきて。
『!?』
私の唇に、比呂の唇が重なった。
……は?
え?
なに?
なんで私、鈴木にキスされてるの?
比呂の唇が離れてもなお放心状態の私に、比呂は口に手を当てながら『……わりぃ。つい』とバツが悪そうな顔で言葉を零す。
………つい?
おい。
ついってなんだ。
ふつふつと湧き上がってくる怒り。
そして、ついに怒りゲージがMAXに。
気がつけば。
────バチーーーン!!
と比呂に平手打ちをお見舞していた。
『……おい鈴木。お前は人様に“つい”でキスすんのか……?お前はいつから欧米人になった……?』
『ま、待て一条…!落ち着け!!話せばわかる!!』