クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】
これが落ち着いていられるか。
一発じゃ全然足りない。
もう100発はお見舞いしてやりたいくらいだ。
なんで……なんでこんなやつに大切なファーストキスを!!
『……うぅっ。ファーストキスは、浜辺で夕日を見ながらって決めてたのに……』
『ドラマと漫画の見すぎだわっ!』
うるせー!
ロマンチックなシュチュエーションに憧れて何が悪いんだ!
乙女なんてみんな頭の中お花畑なんだよ!
なんでよりにもよって、ロマンチックの欠けらも無い鈴木なんかに!
“つい”でするチャラ男のバカタレなんかに!
『う〜〜っ!』
『うっわ!まじか!泣くな!めんどくせぇ!』
『うわぁぁぁーーーん!!』
『……っあー!もうわかった!責任取りゃいいんだろ!?!?』
『はぁぁ〜?責任てなんだバカヤロー!簡単に言うなバカヤロー!うわーーん!』
この時知ったんだけど、比呂は意外なことに女の涙に弱いらしく。
私が大袈裟に泣きわめくもんだから、珍しく焦った様子。
もうこうなったら、鈴木なんてめちゃくちゃ困ってハゲればいいんだ!と大袈裟に泣いていたら、突然ガシッと肩を掴まれた。
『一条!!俺ら付き合うぞ!!』
『…………は?』
こうして、私と比呂は付き合うことになった。