クリスマスケーキは仲直りのキスのあとで。【短】


これが落ち着いていられるか。


一発じゃ全然足りない。


もう100発はお見舞いしてやりたいくらいだ。


なんで……なんでこんなやつに大切なファーストキスを!!



『……うぅっ。ファーストキスは、浜辺で夕日を見ながらって決めてたのに……』


『ドラマと漫画の見すぎだわっ!』



うるせー!


ロマンチックなシュチュエーションに憧れて何が悪いんだ!


乙女なんてみんな頭の中お花畑なんだよ!


なんでよりにもよって、ロマンチックの欠けらも無い鈴木なんかに!


“つい”でするチャラ男のバカタレなんかに!



『う〜〜っ!』


『うっわ!まじか!泣くな!めんどくせぇ!』


『うわぁぁぁーーーん!!』


『……っあー!もうわかった!責任取りゃいいんだろ!?!?』


『はぁぁ〜?責任てなんだバカヤロー!簡単に言うなバカヤロー!うわーーん!』



この時知ったんだけど、比呂は意外なことに女の涙に弱いらしく。


私が大袈裟に泣きわめくもんだから、珍しく焦った様子。


もうこうなったら、鈴木なんてめちゃくちゃ困ってハゲればいいんだ!と大袈裟に泣いていたら、突然ガシッと肩を掴まれた。





『一条!!俺ら付き合うぞ!!』


『…………は?』






こうして、私と比呂は付き合うことになった。
< 9 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop