【短】君がくれた出逢い
「遅いぞ!」
「すみません」
顧問に呼ばれて二人は駆け足で、その中に混ざる。
「じゃあ、軽く自己紹介をするぞ」
隣にいるのはジャックが引き逢わせてくれた人。
ジャックがいないことに涙してくれた純粋な男性。
風が二人の間を通り過ぎた。
桜の花弁が舞っている。
たかが部活動。でも、この場所が最高の舞台になるように祈っていた。
咲也のためにも、自分のためにも。
「次、マネージャー」
「はい」
咲也が進み出る。
「プレーヤーとしては引退しましたが、マネージャーとしてバックアップしていきたいと思います。よろしくお願いします!」
「二、三年のみんなは知ってるな。マネージャーではあるが、コーチ役としてもやってもらおうと思っている。まだテニスに馴染んでいない一年は、こいつから学ぶことになるからな」
顧問が付け足すように咲也の紹介をした。