【短】君がくれた出逢い
「じゃあ、次! 念願の女子マネージャーだ」
「初めまして。マネージャーとして今年からやらせてもらいます。テニス経験は少しだけなので、これから頑張って勉強していきます。よろしくお願いします!」
花奈は決意した。
あの日、テニスから離れることを考えていた彼を救いたくて考えたのは、もう一度コートに戻ること。
プレーヤーではなく、マネージャーとして戻ることがどんなに辛いことかはわかっていた。
表舞台から姿を消すことは、咲也にとって苦痛でしかない。今までライバルだった彼らと同じコートには立てないのだから。
でも、咲也を最も傷つけることはテニスから離れることなのだ。それは咲也自身が話をしてくれた。
ならば、やってみようと咲也を誘った。