【短】君がくれた出逢い
立ち上がり、泣いてる姿を見られまいと空を見上げた。
ついに降り出した雪が、花奈の涙を撫でていった。
「ごめん」
「犬が死んだの。大切なペットが、家族が!」
彼の息を呑む雰囲気を感じて、花奈はますます腹が立った。
「不登校のあなたにはわからないでしょうね。大事でもない部活のクリスマスパーティなんかに付き合わされて。関係がギクシャクするのが嫌だから、無理やり参加したクリスマスパーティのせいで!」
「花奈ちゃん」
「わたし、看取れなかった。ジャックはわたしを待っていたかもしれないのに。最期の時に、いてあげられなかった」
さっき会ったばかりの男に何を話しているのだろうと思うが、花奈は言葉が止まらない。